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スタートレック:ピカード S2-7 ストーリー
事故を契機に昏睡してしまったピカードを起こすため、タリンはピカードの潜在意識に潜り込み彼の心の奥にある秘密に触れ、なんとか意識を取り戻す手助けをします。
一方ラ・シレーナ号(時間軸のズレた世界でも同じ呼び名らしいです)に戻ったセブンとラフィは、船のコントロールがアグネスと同化したボーグ・クイーンに握られている事を知りアグネスを捜しに出かけます。
ピカードの元に残ったリオスでしたが、ピカードの様態が急変したためやむを得ず船から転送で治療具を送ってもらい、それでとうとうテレサに正体がバレてしまいます。
第7話 モンスターの疑問
なぜ誰もいない船へ転送で戻れたのか
セブンとラフィはラ・シレーナ号に転送で戻りますがその時船には誰もいません。
そもそもシーズン1、2の設定として転送機側に誰かいないと収容できないという事だったような気がするのですが…。
にも関わらず、誰もいない船にセブンとラフィはすんなり戻ります。
更に輪をかけて、後述のリオスがテレサらに船を見せるシーンでは転送台側で転送信号のロックをする人もいないのに、船に初めて乗るテレサとその息子も問題なく転送されています。
こういった転送全般の仕様についてまず最初に疑問が残ります。
次に、セブンはラ・シレーナ号のパネルを触り、船のコントロールがボーグ・クイーンに握られている事を知ります。
ここで、なぜコントロールを握られていたのに転送収容は問題なくできたのかという、2つ目の疑問が出てきます。
ここまでのエピソードでの積み重ねに比べて、転送周りの設定があまりにもガバガバな気もしますが一体これはどういうことなのでしょうか。
なぜリオスはテレサと彼女の息子に船を見せたのか
リオスはラ・シレーナ号にテレサと彼女の息子(仮称:バルカン息子)を連れていき、自分の正体を明かします。
過去への干渉になるような事をやってはいけないと決めていたはずですが、なぜリオスは軽率にこのような行動を取ったのでしょうか。
第7話 モンスターの疑問への考察
細けぇことは良いんだよ。雰囲気重視!
と言ってしまうと身も蓋もないんですが、本エピソードの転送関係はあまりにもご都合主義というかこれまでの16エピソードで培ってきたものとかけ離れすぎていると感じました。
転送パネルを操作するための人間がいないと転送できない、だからその時々の状況に応じて船に残る人員を必要とする(主にアグネスが担当していましたが)というのが、このピカードのストーリーの色々な場面での抑制であり展開に繋がっていたと思います。
なのに本エピソードではもう「細けえことは良いんだよ。雰囲気重視!」と言わんばかりに転送の制約が無かったことになっています。
セブンとラフィが戻れたのは2人はコミュニケーターの信号があるので何らかのテクノロジーで信号ロックができて戻るための転送ができた―これはなんとかできなくはなさそうです(それでも苦しいけど)。
ではなぜボーグ・クイーンに船のコントロールを奪われていたのに転送できたのか?について考察してみます。
船のパネルを操作しコントロールを奪っているシーンのアグネスは赤ドレス姿でした。
そして船に1人でいたのでガラに潜入する前の行動ではなく、ガラで独唱→他の人達はピカードと病院に行っている間にラ・シレーナ号に戻った状態であると推測されます。
※ガラ潜入前に赤ドレス姿に着替えた状態の1人のときだった、なお作戦時は各自現地集合だった―という可能性も無くはないのですが、
おそらくガラ潜入時は事前に全員で集まり作戦を確認して臨むのが自然な流れでしょうから、ここではピカードが病院に行っている間の出来事であると仮定します。
つまりここに転送が比較的自由に行えた理由のヒントが残っていると考えました。
あの赤ドレスのアグネス(ボーグ・クイーンに支配されている)は、その後どこかのバーのようなところに行って窓ドンでガラスを叩き割っています。
(なおガラス窓を叩き割るとエンドルフィンが出るらしい。ホントかしら😅)
つまりラ・シレーナ号から転送でどこかの街へ行っているんですよね。
またボーグ・クイーンは過去の発言から船を要求していること、そして今また船のコントロールを奪っていることから、ゆくゆくはラ・シレーナ号に戻って船を使って宇宙に出ることも考えているはずです。
となると船外にいる時に自分主導による転送機能で船へ戻る、何らかの手段を確立しておく必要があります。
ですので転送台側に誰もいなくても転送できる仕組みを作った&転送機を比較的オープンに使えるようにしておいたという説を考察してみます。
(もっともこの説も転送機をボーグ・クイーン専用に書き換えてしまうぐらいの事はできそうなのになんでそうせんかったのか?というのが理由付けの弱いところです😥)
となると強化されたラ・シレーナ号の転送機にはコミュニケーター等で信号を伝えれば転送収容できる事になり、セブンとラフィが戻れたのもかなり強引ですがやれなくはないと考えられます。
ただこれも、船側に誰もいなくても転送できることをなぜセブンとラフィは認識できたのかって点が論理として弱いところデス…。
たまたまアグネスが戻ってるかもしれんから、「ラ・シレーナ号2名転送」とか言ってみたら上手く行った―ぐらいしか思い浮かばないんですよね。
リオス+2名の場合は更に輪をかけてもうしっちゃかめっちゃかなわけですが、これもコミュニケーターの近くにいる人員をまとめて転送できるあまつさえ船に誰もいなくても。という感じで機能強化されたーと考えるより他なさそうです。
このエピソード2-7の転送については考えれば考えるほどわからなくなる事だらけ。
もう細けぇことは良いんだよ。雰囲気を楽しめ!で流したほうが良いのかもしれません。
軍法会議もののような気もするがカークもやってたからOK
リオスがテレサとその息子を船に連れて行ったシーン。
過去の世界の人物に未来のテクノロジーを軽々しく見せるという
どう考えてもアウトな行為です。
おそらくもう自分たちの正体を黙っておくことはできない&ピカードを助ける時にもう転送見せたからええやろ、イケイケドンドン!と一気にリオスの中のタガが外れたのかもしれません。
だからといって過去の世界にテクノロジー的に干渉することが許される理由にはならないと思いますが…。
ただ思えば「スタートレックIV 故郷への長い道」でもカークが過去の地球で知り合った女性に正体を明かし、ましてや最終的に未来にまで連れて行ってます。
なのでカークもやってるからOKと言えるかもしれません。
(あの映画、スコットはスコットで水槽を作るため、オーバーテクノロジーである高分子化合物の構造式を過去の人に教えてますしね…)
…つまりですよ、テレサと息子を未来に連れていけばこの件は問題なく丸く収まりそうですね。実は本エピソードのリオスの行動は今後の展開への布石なのかも?🤔
(ただ立場の弱い患者を救いたいという責任感の強いテレサが未来に行くとは考えにくいですが…)
感想
全員バラバラ好き勝手に行動するから話がとっ散らかるしトラブルも増える―というのがこのシーズン2の印象なのですが、今回は更にそれが増したという感想でした。
とにかくなんでもかんでも風呂敷を広げすぎるから話がまとまってない
更に脚本も、そうはならんやろという箇所が多いように感じがします。
前話でピカードがはねられるシーンを見たルネにしろ、直前まで励ましてくれた力強い味方が目の前であんなことになったらショックが大きすぎてやっぱり宇宙飛行士は無理だーってなりそうなもんですがそういう描写は何も無く、あっさり出発への隔離に入ったとタリンからセリフで説明があるのみ。
コレーについても前話で進んだ展開が何も出てきません(登場すらしない)。
それにタリンはタリンで意識が戻ったばかりのピカードを当然のようにガイナンの元にたった一人で行かせています。
精神融合までして意識を共有した彼が心配じゃないのでしょうか?
それにルネを妨害しまだそれが終わっているとも限らないQと対峙することはタリンにも意味があると思うのですが、もう自分には関係ないよと言わんばかりの放り出しぶりです(一応ガイナンにウォッチャーとしての立場からツテは取ったのかもしれないけど)。
それにあの後タリンさんルネが隔離に入った以上、何もすることは無くて暇だと思うんだけどどうしたんでしょうか?
それにセブンとラフィについても、アグネスが危険であれば捜索の人数を増やしたほうが良いはずです。
あの時リオスはクリニックで落書きするほど暇だったわけで、なぜアグネスの危機、ひいては全地球市民の危機であることを仲間と共有して事に当たらないのかよくわかりません。
それに本エピソードの一番重要な点であろう、ピカードの過去の記憶でお母さんとの話にはまだ先がある事が何度も示唆されていますが、そこについては結局触れずじまいで視聴者はもやっとするばかりです。
この様に話が細分化してとっ散らかるばかりでいつまで経っても全くまとまってこないうえに脚本もガバガバなのはもう少しなんとかならなかったんだろうかと思います😥
私は本来のスタートレックの姿である1話完結スタイルを可能な限り踏襲して、
尺の90%を使ってなるべく1エピソード内で話を完結させ、
残り10%を使って全体を通した物語を描き最後の10話で100%に繋がる構成を目指したほうが良かったんじゃないかなあと思います。
スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から順次視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。