スタートレック:ピカード シーズン2 第10話 別れ Farewell(通算#20)

別れ Farewell

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スタートレック:ピカード S2-10 ストーリー

エウロパ計画を成功させるためタリンは転送でルネの元に向かいます。それについてきたピカードはタリンがルネの身代わりで死ぬ決意であることを悟り、タリンを説得しようとします。
しかしタリンは死ぬかどうかは本人が決めることで他人が決めることではない、そして他の人が死んでもあなたが心を痛める必要はないとピカードにお母さんとの思い出も含めて諭すのでした。

タリンは控室にいたルネに接触、自分はこれまであなたを見守ってきたと正体を明かし危険が迫っていることを説明します。
控室から飛び出すルネ。そこへやってきたスンがルネに神経毒を盛りルネは瀕死状態になります。
ルネの元に駆けつけたピカード。瀕死のルネの正体は顔を偽装したタリンでした。
もはや助からない事を悟ったタリンはピカードと一緒に本物のルネが乗ったロケットが飛び立つのを見上げエウロパ計画の成功を見届けます。
タリンはルネに正体を明かしたことに満足してピカードの腕の中で亡くなるのでした。

シャトー・ピカードにはピカードら一同が集合していました。
未来に戻る手段を失った彼らは時代に影響を与えそうな荷物を始末してこの時代で生きて行く事を決意します。

1人シャトー内で、お母さんを隔離していた部屋の鍵を隠し場所に戻すピカード。
そこへQが現れます。
Qとピカードは今回の一件について話し、ピカードはなぜいつまでも自分にこだわるのかとQに問い詰めます。
Qは神にもお気に入りはいる、そして自分に取ってはそれがピカードなのだと告げます。
Qはピカードが幼少期の母との悲しい記憶から自分の心を閉ざし誰も愛さないようになったまま老境を迎えた姿を見て心を痛め、
自分が死ぬ前にピカードの束縛を解き放ってあげたいと思い今回の一件を起こしたのでした。

ピカード一行を本来の時間軸へ送ると提案するQ。
しかしリオスはテレサとその息子のいる現在の時間へ残ると一行に告げます。
一同は驚きましたがリオスの意思を尊重し、彼と別れます。
最後にQが力を使う前にピカードは彼の元に近づき抱きしめます。
驚きと満足した表情を浮かべたQは能力を使い、一行を元の時間軸へと送り届けます。

元の時間軸ではスターゲイザーの自爆シークエンスが起動中の状態でした。
ピカードは自爆を停止しブリッジにやってきたボーグ・クイーンに話しかけます。
クイーンの正体は400年前に別れたアグネスでした。
アグネスはα宇宙域のこのセクターに崩壊の危機が迫っておりそれにはボーグ艦と宇宙艦隊のシールドを同調させて防御する必要があると説明。

ピカードはリオスのいないスターゲイザーの指揮をセブンに任せ、ボーグと宇宙艦隊の共同作戦によりセクター崩壊の危機を乗り越えます。
クイーンはいまだ領域に危険が残っているためボーグと惑星連邦間で同盟を結び、そして自分たちがこの場に残って危機を見張ることを提案します。
ここに宇宙艦隊とボーグの同盟が成立したのでした。

24世紀でガイナンのバーに集合した一同。
ピカードはその後ガイナンから、リオスとその家族が生涯を全うした事を聞きます。

シャトー・ピカードには旅立ちの準備をしたラリスがピカードと母の思い出が詰まったあのテラスにいました。
そこへ戻って来たピカードはラリスに2人で新しい未来を歩んでいこうと語りかけるのでした。

第10話 別れの疑問

ルネは搭乗の決意をすでに固めていたのだからタリンは入れ替わらず単にスンから守ればよかったのでは

ガラでのピカードの説得ですでにルネは宇宙に向かう決意を固めていました。
それにすでに控室の隔離に入っている状況からいまさら辞退とはもう言えないでしょう。

タリンはルネの前に現れて事態をややこしくするのではなく、単にスンを排除するだけで良かったのではないでしょうか。

あれは本当にウェスリーなのか

スンの研究データを遠隔から全て破壊したコレーの元にメッセージが届き、
そこへ「旅人」となったウェスリー・クラッシャーが現れコレーを旅へと誘います。
が私はあの姿がちょっと引っかかります。あれは本当にウェスリーなのでしょうか。

なぜラフィはQを見てすぐQだとわかったのか

シャトー・ピカードの外でピカードとやってきたQを見た瞬間にラフィはQ!!と食って掛かります。
ラフィとQに面識は無いはずですが、なぜラフィはあの人物がQだとわかったのでしょうか。

リオスはどうやってシャトー・ピカードのあるフランスからロサンゼルスまで戻ったのか

リオスは現代に残留FA宣言を行いテレサらと生きてていくことを決意します。
がピカードらはQの能力で帰ってしまいました。

シャトー・ピカードはフランスにあります。
テレサの診療所はアメリカのロサンゼルスです。
リオスは身分不詳なのでパスポートなんてありません。
またテレサにしても旅費等を持っているとは思えません。
彼らはどうやってロサンゼルスまで帰ったのでしょうか。

Qはホントに死んだのか?

私の考察(そして願望も)ですが、Qはホントに死んだのかいささか疑問に思っています。
これは⬆のリオスがどうやって帰ったのか?という件とも関わってきますので、下で考察します。

リオス一家はどうやってガイナンのバーを知ったのか

未来のガイナンによると、その後リオスと一家はよくガイナンのバーに来てくれていたとのこと。
しかしこのピカード:シーズン2を見るとリオスはガイナンと遭ったこともないし、ガイナンのバーにも行っていません。
どうやってガイナンの存在と彼女のバーを知ったのでしょうか。

第10話 別れの疑問への考察

ルネに会って正体を話したい気持ちを優先させてしまったが故の悲劇

すでにルネは決意を固めている、ましてや客観的に見ても今からもう辞退など無理な状況なのにそこへタリンがのこのこ出ていって混乱させるような事を言うのははたして最善手なのだろうかと思います。

あの局面まで来るともはやボーグ・クイーンはいませんし手下のボーグも居ない。
Qがどう動くかは不明ですが、現実的な問題は会場にいたスンでしょう。
それに万が一Qが動いてきた場合、タリンはピカードからQについて能力を聞いているでしょうし自分では対処できないのは彼女も分かっていると思われます。

となると現実的にできるのはスンを排除すること。
スンの正確な年齢はわかりませんが、白髪で歳も取っていますし
またあくまで科学者であって戦闘のプロではありません。
タリンさんの戦闘能力がいかほどかはわかりませんが、ウォッチャーとして送り込まれたエージェントであれば訓練等受けてるでしょうし、実際シャトー・ピカードでは率先して銃撃を行っていました。ですので素人のスンに対して遅れは取らないと考えられます。
ならば待ち伏せして密かにスンを始末することぐらいはできそうです。

がそうしなかったのはなぜか。

あの場面はタリンが長年自分が見守ってきたルネに直接色々と話したいという欲求を優先させてしまったが故の行動なのでしょう。

タリンは亡くなる前に愛していることを伝えるのは素晴らしい事だと語っています。
長年見守ってきた彼女にとってルネは娘のようなものに存在が昇華していると察します。
ですので彼女に気持ちを伝えることが自ら命よりも大事と考えたのでしょう。

が落ち着いて考えれば、ルネがエウロパ計画から帰ってきてから彼女に会いに行くという選択もアリだったんじゃないでしょうか😥
もっともQ曰くどの時間軸でもタリンは死ぬ。しかもルネには会えずにと言っていたので結局本人の預かり知らぬところでダメだったのかもしれませんが。

ライカーの見せた未来のウェスリーと全く姿が違う件

コレーの前に現れたウェスリーは髭面の冴えないおっさん(失礼)という出で立ちで、パッと見不審者と思われかねない風貌でした(言ってることも一般人が聞けばかなり怪しいわけですし😅)。
が一応ウェスリーはウィル・ウィートン氏が演じたようなので、あれが成長したウェスリーの姿なのでしょう。

だが待ってほしい。

新スタートレック シーズン1 10話「死のゲーム」でQからQの力を与えられたライカーがウェスリーを未来の姿にすると
そこには筋肉モリモリマッチョマンの爽やか好青年ウェスリーがいました。

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あれとは全く姿が異なる本エピソードのウェスリーです。かつての美少年の面影はなく…。
あのライカーが見せた未来のウェスリーとは何だったんでしょうね。新たな疑問が…😥

これまでの状況から察してあの爺さんがQだと推測→問答無用でチョーク攻撃

ラフィはQと面識は無いもののピカードと2人でやってきた只者ではなさ気な爺さんを見てQだと察したと思われます。
で憶測の段階で問答無用でチョーク攻撃に移るという…😅
性格が丸くなったQだから良かったものの、そうでなければ即ラフィは銀河のもくずになっていたと思われます。

またあの首絞めはアグネス(クイーン)がラフィにやったことの写しになってると思いました。

タリンの転送装置は破棄せずしばらく残しておくつもりだった説

まず最初にどういう経緯でシャトー・ピカードに全員が居たのかを考察してみます。

ルネの旅立ちを見送る→タリンの遺体をロサンゼルスにあるタリンのアジトにピカードがタリンの煙を出す転送機で連れ帰る→アジトの痕跡を始末する必要がある(この時代に異星人の痕跡を残してはいけないから)→おそらくその始末、場合よってはタリンさんの埋葬のためにシャトー・ピカードに転送で移動する→この時なぜかテレサと息子もついてくる→シャトー・ピカードでテクノロジーの痕跡を全て始末してこの時代で生きていこうと誓う→Qが登場して帰れる事になる

これが流れだと思います。
会話シーンから察するとリオスはLAに向かうと最初から決めていたようです。

問題はテクノロジーの痕跡を残してはいけないのでタリンさんが持つ転送装置を始めとする機器も破壊しないといけません。
それにはおそらくシャトー・ピカードの地下なりに葬るのが良いと思うわけですが、
じゃあどうやって転送装置なしでロサンゼルスに「帰る」つもりなのかですよね。

またなぜテレサと子供をあの場に連れてきたのか、テレサらはタリンのアジトから直接診療所に帰っても良かったのではないか?とも思ったんですがこれについては正直、脚本上のご都合主義としか思えません(リオスが残る宣言をする時の根拠付けとして)。
(それとタリンのアジトが実はLAではない可能性もありますが、それでも転送装置で誰かが親子を送れば良いわけで)

さてここでエピソード中の気になったところが、リオスが捨てるものをバッグに詰めるシーン。
トリコーダー、壊れたフェイザーを出しますが、タリンさんのロミュランの機器がパッと見ありませんでした。

なので2つ考えられます。

  1. タリンさんのアジトおよび付随する機器についてはウェスリーのような彼女を派遣した「旅人」が始末した
  2. 転送機はシャトー・ピカードに来た時に誰かが持っているなのでそれを使ってロサンゼルスに戻るつもりだった

1に関しては描かれていないので全くわかりません。
が、シャトー・ピカードのシーンでタリンのものが写っていないので可能性はあります。
が、私は2じゃないかと考えました。
これからどうするかまだ全員が決まってないので転送で移動する必要があります。
またシャトー・ピカードに残るとしても人が住める状態ではないのでやはりあの場にはとどまれずどこかに移動する必要があるでしょう。

ということで現実的な路線としてはタリンの転送機をまだ廃棄せずに残しており、それでリオスは帰るつもりだった―と考察しました。

が、私はそれよりも次の考察の説を取りたいです。

Qはピカード達を送った時点ではまだ死んでいないと思う

Qは死んだという根拠がこのエピソードでは何も描かれていません。
それとQはピカードらを元の時間軸に戻しますが、私はそのタイミングあるいは後からQがリオスらもロサンゼルスに送ってあげたのではないかと考えました。

またアメリカにいたQがどうやってシャトー・ピカードまでやって来たかも謎ですよね。
なのでこの移動のときにも能力を使っていると考えられます。
なのでQは実はまだパワーはそれなりに残っているのではないかと。

  • 弱ったふりをしてピカード達の反応を見て楽しんだ
  • ゲームにハンデを付けてあげた

これらもありそう。
というか、Qがガチで衰えて能力が使えないのであればコレーの特効薬とかその他諸々辻褄が合わない事が多い。
私はわざと弱った設定でピカード達とのゲームを進めたのではないかという気がします。

もちろんQがその後もずっと生きているという事も描かれていません。
が本エピソードにはエンディングであれはQではないかというシーンが示唆されています。

エンディングの47:06辺り、画面中央に一瞬強い瞬きが映ります。
私はあれがピカードとラリスの状態を見届けて満足したQであろうと妄想しました。
昔、機動戦士ガンダム逆襲のシャアで最後にフィルムに映ったホコリか傷か白いのを見てあれはアクシズから脱出するアムロとシャアの光だと友人が言っていました(笑)

そもそもQが死ぬのか?という設定にも疑問がありますし、

ピ「Q!?死んだんじゃなかったのか?」

Q「死んださ。だが君たちの神だって死んでも3日後には復活するのだろうジャン=リュック?」

てな感じで「死ぬとは言った。だが復活しないとは言ってない」とかもアリでしょう。
なんだか普通にありそう(笑)😅

身も蓋もない事を言えばQ役のジョン・デ・ランシー氏も高齢なのでキャストとして最後の出演でしょうし、ジャン=リュック・ピカードに絡まないQはスター・トレック作品に登場する意味も薄くなると思いますが、Qという存在は実はまだ生きてると私は思いたいです。

エピソード外でガイナンの事を知ったとしか思えない

作中でリオスはガイナンに会っていないはず。またガイナンのバーにも行っていませんよね。
過去の時間軸でガイナンのバーに行ったのはピカード、セブン、ラフィ。
セブンとラフィはピカードに状況を伝えに来ただけで、そのときガイナンは目立たないように後ろでうつむいたまま掃き掃除をしてました。
彼女らがあの時ガイナンと認識していたかは不明です。

となるとピカードからガイナンについて詳しい場所を聞くとかでないと
リオスはガイナンの存在とバーについてもわからないと思います。

未来のガイナンによるとリオスはガイナンのバーに来ていたことになっていますから、
エピソードで描かれている枠外でピカードが仲間にガイナンの事を語ったのだろうと思われます。

感想など

まず9話で予想したもう一人のルネ=コレー説。
全く違いましたね。単純に顔を作ったタリンだったとは。

Qとピカードの会話シーンはジーンと来ました。
Q、あんたこれまでのキャラと違うやろとかそんな事はもうどうでもよくて
ただただ感動です😭

最後は一応ハッピーエンドという事になるのでしょうか。
これでシーズン3が始まってピカードが一人で暮らしてたらそれはそれで凄いけど…。

ただこれでアグネスとリオスは本作から退場になったと思われます。
シーズン1からのレギュラーメンバーが2人も減ってしまいました。
スタートレック:ピカードはシーズン3が最終シーズンらしいので引き続き楽しんで行きたいと思います。

シーズン2全体の考察、感想はまた別途書きたいと思います。

スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から順次視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。

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