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スタートレック:ピカード S1-7 ストーリー
3週間前の地球・沖縄のデイストローム研究所。
アグネスの元にオウ准将が現れ、ピカードと会っていたことについて尋問します。
オウ准将はアグネスに対して突然バルカン人の精神共有のようなことを行い、
シンスがいる世界になればどういう事になるか…とアグネスに世界が崩壊する幻影を見せます。
アグネスは嘔吐しオウ准将に精神支配されます。
オウ准将は追跡ビーコンのようなものをアグネスに渡し、飲み込ませます。
現在に戻り、ボーグ再生キューブでナリッサからピカードとソージの行方について尋問を受けるブルー(ヒュー)。
口を割らないブルーに対してナリッサは見せしめに元ボーグの仲間たちを殺していきます。
しかしブルーは連邦市民であり、殺すことは条約違反であるため開放されます。
ブルーはエルノアと再合流しボーグ・クイーンの部屋を再起動し、
キューブをロミュランの居ないところまで移動させる策をエルノアと実行しようとします。
しかしナリッサはそれを知り、ブルーの行動は条約違反であるため殺害する大義名分が出来たとブルー&エルノアに襲いかかります。
エルノアはナリッサと戦い優位に立ちますが、ブルーはナリッサが投げた飛刀により喉を突かれ致命傷を受けます。その後のエルノアの追撃を避け転送で逃げるナリッサ。
ブルーは最後の力を振り絞ってエルノアにボーグ・クイーンの部屋を起動するように頼み、エルノアに希望もたせてくれてありがとうと告げ死んでいきます。
エルノアはキューブ内を独りで逃げながら、なんとかブルーの意思を継ごうとしますが、周りは敵だらけで厳しい状況です。
そんな時ふと上を見上げると、ピカードがセブンから受け取ったはずのフェンリス・レンジャー要請タグを見つけます。
エルノアはタグを起動しセブンを呼ぶのでした。
ピカードとソージが惑星ネペンテへ転送ゲートで去ったため、
リオスたちもボーグキューブから急いで撤退しようとします。
ですが船がトラクタービームで自由を奪われ身動きが取れません。
しかし、突如リオス達は解放され、急いでピカードと合流すべくネペンテへ向けてワープします。
が、トラクタービームでリオス達を抑えている間にナレクがロミュランの攻撃艇に乗り込み、リオス達を追跡してワープに入ります。
リオスは何度かナレクを撒こうとしますが、なかなか撒ききれません。
リオスはラフィに追跡装置が付けられていると判断。
それを聞いたアグネスは自責の念から医療室のレプリケーターで神経毒を作り出し自分に注射し意識不明に。
アグネスの体内にしかけられた追跡装置が効かなくなりナレクはリオス達を見失います。
一方、ネペンテに降り立ったピカードとソージ。
ピカードはライカー、トロイ、そして二人の娘であるケストラと束の間の穏やかな時を過ごすのでした。
一方ソージは心の整理が出来ず混乱と苛立ちが続きます。
そんなソージの心を溶かしたのはケストラでした。
ソージはピカードに対してまだ半信半疑ですが、少しずつ自分がナレクからされたことを語り始め、ジャル・マクの儀式によって引き出された故郷の情報を伝えます。
ケストラがその情報を元にソージの母星の位置を突き止め、ピカードとソージはリオス達と合流しソージの故郷を目指すのでした。
第7話 ネペンテの疑問
ディアナはなぜピカードがやってきたことに気が付かなかったのか
ネペンテに到着しライカーとディアナ(トロイ)の家に向かうピカード、ソージ、ケストラ。
ケストラが家に走っていって何度もトロイを呼び、
到着したところでピカードの姿を見てトロイは懐かしさから喜びます。
この場面、地球人とベタゾイドのハーフであるトロイはテレパシー能力でかなり遠方の相手の心理や感情まで読み取れるはずです。
なぜピカードが目前にやってくるまで全く気が付かなかったのでしょうか。
アグネスが急にキャラ変したのはなぜなのか
本エピソードの冒頭からアグネスが急にヒステリックでわがままを言い出すようにキャラ変してしまいました。
突然の変貌は一体どういうことなのでしょうか。
ピカードはなぜソージに酷いことを言ったのか
ネペンテ滞在中、ソージの心をディアナが徐々に解きほぐしていきます。
が、そこにやってきたピカードがわりと血も涙もない事を言い、
それに怒ったソージに肩パンされてしまいます。
(よく肩の骨が折れなかったなと思った)
全面的にピカードの自業自得ではありますが、
なぜ彼はあんな酷いことを言ってしまったのでしょうか。
ライカーもトロイも中佐止まり??
エピソード内でピカードはライカー中佐、トロイ中佐とソージに紹介していました。
あれだけ人類そして惑星連邦に貢献した二人、
特にライカーなどTNGのエピソード内で
エンタープライズ号副長でなければ他の艦では艦長クラスともずっと言われていました。
それなのに二人共階級が中佐止まりなのでしょうか?
セブンを呼ぶタグはなぜあそこにあったのか
エルノアがボーグキューブ内を移動中たまたま入った場所にあった
ピカードがセブンからもらったはずのフェンリス・レンジャーSOSタグ。
なぜあそこにあったのでしょうか。
第7話 ネペンテの疑問への考察
テレパシーを使う必要がない生活が続いていたから
最初は加齢でベタゾイドのテレパシー能力が落ちてしまったのかとも考えました。
またディアナはベタゾイドと地球人とのハーフなので、
純血ベタゾイドに比べればテレパシー能力は控えめです。
そこへ更に加齢が重なり力が落ちたのではないか?と考えました。
ですが、私がこれまで見たスタートレックのエピソードで
加齢でテレパシー能力が落ちるというのは聞いたことがない気がします(私が知っている範囲なので実際は何か設定があるかもしれません)。
むしろベタゾイドは加齢によりザンシー熱でテレパシー能力が強く暴走することはあるので
加齢による衰え説はちょっと違うかなぁと考えました。
一方、ベタゾイドのテレパシー能力はトレーニングにもよる
というエピソードがあったと思います。
ですのでディアナはネペンテで家族と穏やかな生活を送る中、テレパシーを使う必要も無かったのだろうと思います。
ケストラとテレパシーで会話ができるかはわかりませんが、全くテレパシーが使えない夫のライカー相手にテレパシーを送ったり、心を読むような事はディアナの性格からしてもやらないでしょうしね。
ですのでテレパス能力使う機会が減った分、力が落ちピカードの来訪に気がつけなかったのではないでしょうか。
これはエンタープライズ乗船時のように常に気を張ることもなく、
いわばディアナが平和な暮らしを続けてきた事の証ではないかと思います。
アグネスに対する演出のしかたがちょっと雑!?
本エピソード冒頭で3週間前のオウ准将とアグネスの接触時の状態が語られ、
私も過去の考察で予想していたようにアグネスはオウ准将のスパイ説が確定しました。
で、その経緯が本エピソードでやっと描かれた事により、
やっぱりアグネスはオウ准将のスパイ、
しかも精神支配のようなものを受けているんだ!
ということを視聴者が知るわけです。
で本エピソードのアグネスのわがままぶりに話が戻るわけですが、
どうにも演出が雑というか唐突というか、一気に振れ幅が大きすぎるような気がしました(偉そうでスミマセン)。
視聴者はアグネスがオウ准将のスパイである事を正式に知り、アグネスの怪しさの謎が分かっていますが、
リオスやラフィにしてみればこの人突然どうしちゃったの?となると思います。
エピソード内でも「あんた言ってることがちゃうやんけ(意訳)」とラフィが言ってましたよね。
さて、この挙動不審ですが
アグネスは完全にオウ准将の精神支配下にあるのではなく、ある程度自我を保っており、
マドックスを殺したこと、そして追跡装置が自分のせいであることで
彼女本来の善性から精神的に追い詰められ、挙動不審になったのだろうと思われます。
もう少し過去の数話を使ってアグネスが少し挙動不審になってクルーが???となるシーンの1つや2つでも入れておけばもっと良かったんでしょうけど。。。
ピカードのソージに対する態度も演出が雑がゆえ!?
このシーン、ディアナがトマトと会話でほぐしたソージの心を暴言で台無しにするピカード。
で、ピカードはソージにぶっ飛ばされるわディアナから説教を受けるわで踏んだり蹴ったりなわけですが、
これはその直前のライカーが「ティーンエイジャーのような女の子と上手くやる自信があるんですか?」、「一歩一歩ですよ」とピカードに諭している会話を受け、
『なかなかソージとの溝が埋められず苦悩するピカード像』を描きたかったが為の演出なのだろうと思わます。
ですが、これがまた雑に映ります(何度も偉そうでスミマセン…)。
実際、その前のシーンでピカードはディアナに対して息子のサドを亡くした心の傷があることを見抜いて優しく接しています。
なのに今度はソージに対しては彼女の心など知ったことじゃない様に発言し、
見てる側からするといきなりこの人なんであんな酷いこと言うの!?ってなるわけです。
(もっともあの暴言のような酷い言いようはピカードの前頭葉の病気のせいもあるかもしれませんが…)
演出が雑(失礼)なのは、上述のようないきさつがあったかと思えば
その割にその後の晩御飯の食卓シーンでは
そこそこあっさりソージはピカードにこれまでの経緯を語ってます。
私はてっきり肩パン事件の後、ピカードがソージに君の気持ちも考えずさっきは済まなかった…と謝りに行くシーンが入るんだろうなあと思ったのですが、
そんなものはなく、いきなり晩御飯のシーンで少しソージが歩み寄る。
尺が限られているので仕方ないんだと思いますが、
もう少し段階を踏んでソージとピカードの交流を描けばまた違った印象になったのかもしれません。
ライカーは大佐のはずですが…
ライカーはTNG最後の映画である「ネメシス」の後U.S.S.タイタンの艦長になり
それに合わせて大佐就任となっていたはずです。
(ディアナはその時中佐のままでした。)
が本エピソードでピカードは中佐と呼んでいます。
なぜ中佐と呼んだのか、一番大きな可能性としてはピカードがライカー、ディアナと一緒にエンタープライズで過ごした時の記憶が大きく、その時の癖でついついライカー中佐と呼んだのではないかと思います。
現実でもありそうなことですよね。
別の可能性としては、ライカー大佐と呼ぶはずだったのに翻訳が間違っていた説です。
これはスタートレック・シリーズで過去にもあったことで、
スタートレック:エンタープライズのチャールズ・タッカーIII世(トリップ)は本当は中佐ですが、吹き替えは少佐になっていて明らかに間違っている事がありました。
(なおトゥポルがタッカーを中佐と呼んでいるシーンもあってENTは余計むちゃくちゃな事に)
もう一つ可能性として考察したのは、実はタイタン就任時に何らかの理由(ネメシスでエンタープライズEをまた壊した責任で降格人事とか)で、ライカーの大佐就任が取りやめ。
しかしタイタン艦長には就任し、その後中佐のまま本エピソードで語られている息子のサドをディアナとの間にもうける。
そしてサドの病気療養のために艦隊の予備役になり中佐のまま半隠居でネペンテへ移住した…という説です。
何が正解かはわかりませんが、私は最初の「ついつい昔の癖で中佐って呼んじゃった説」を取りたいと思います。
あの場所にタグがあったのは非論理的だ
エルノアが逃げ込んだ場所には何かの装置がありました。おそらく転送台ではないかと思われます。
あのタグはピカードが持っていたはずですから、
ピカードがボーグキューブに来た時に万が一のため置いておいた―と考えました(理由として苦しいけど)。
が第6話でピカードが転送してキューブに来た場所のシーンを見返すと、なんの転送装置も無いのでおそらく別の場所なんですよね。
じゃあエルノアが(どうやってかはわかりませんが)船でピカードからタグを奪っておいて
キューブに乗り込んだ際、転送場所をどこにするか目星が付けられなかったのでわかりやすい転送台を指定。
そしてあの転送装置のところにタグを置いておいた―という説も考えましたが、
あの場所に置いておく合理的理由が無いですよね。
それより肌身離さず持っておいたほうがいざという時に確実でしょうし。
では、エルノアがキューブに残るという宣言をした時に、彼の身を案じたリオスがタグをキューブの転送台めがけて転送させたという説はどうでしょうか?
ピカードがリオスにこれはいざという時に大事なタグだからと説明して渡していた可能性は無くはなさそうです。
リオスがエルノアを置いて行く決断をし、出発する時の映像を見返してみました。
後部スラスターが光りワープに入るシーンで船の転送装置のところも映りましたが、特に何かを転送させたような描写はありませんでした。
となるとこの説もちょっと難しそうですね…。
以上から、あの場所にあのタグがあった理由は全くわかりません。
ご都合主義で非論理的だというのが私の考察結果になります。
感想
ネペンテ(Nepenthe)とはギリシャ神話に登場する忘却の薬の事や、苦痛を忘れさせるという意味の単語だそうです。
本作では惑星の名前ですが、こういった意味合いも持たせていると思われます。
それは本エピソードでソージの心を癒やすという意味もあるでしょうし、子供を亡くしたディアナの心を癒やすという意味もあるかもしれません。
また本作でライカーは表向きとても明るく振る舞っていましたが私にはややから元気な様にも映りました。
内心は彼も深く悲しんでいるからこそ、息子が無くなった後ももう艦隊には戻らず世捨て人のような生活を送っているのではないでしょうか。
そう言った目で見ると少し悲しいエピソードでもあります。
#3終わりの始まりで考察したアグネス=スパイ説はおおよそ当たってたみたいです。
まさか精神支配まで受けているとは考えてなかったですが…。
一方#6で考察したリオス=テレパス能力のある宇宙人説は全く違ったようですね(さすがにあの説が正しいとは全く思ってなかったけど(汗))。
アグネスではなくラフィを疑ってましたし。
エルノアのタグについてはいくら考えても全くわかりません。
単なるご都合主義じゃなくて今後のエピソードで謎が明かされる事に期待したいです。
この7話 ネペンテ はスタートレックシリーズで新スタートレック(TNG)が一番好きな私にとって、とても感慨深いものでした。
ライカーとディアナが登場しただけでも嬉しかったのですが、
終盤の湖畔のシーンでライカーがピカードと語らい、彼の体調を案じてライカーはピカードの肩に手を回す、そしてピカードはそのライカーの手を握り返すあのシーン、TNGでの二人の固い絆を知っているファンからすると、とても感動する場面です。
またラストでピカードとソージが転送で去っていくシーンの後に流れるBGMもTNGのものになっている演出も良かったです。
本エピソードは、見る前にTNGの7シーズン+劇場版を見たことがあるかどうかで大きく評価が変わる話ではないかと感じました。
私は100点満点で200点付けたいです。
スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から順次視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。