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スタートレック:ピカード S1-6 ストーリー
ソージの居るベータ宇宙域中立地帯にある再生ボーグキューブを目指すピカード一行。
道中、アグネスはピカードにマドックスは怪我が悪化して死んだと嘘の説明を行い、ピカードは納得する。その後リオスとアグネスが親密になる。
ピカ―ドは過去にロキュータスとしてボーグ化されていた時の記憶が蘇り苦しむ。
辛い過去と戦いながら情報を集めるピカードはボーグ再生プロジェクトのリーダーが旧知のボーグ、ヒュー(ブルー)であることを知る。
航海の途中、連邦の信任を無理やり取りつけ大使としてキューブへ1人だけ入ることを許されたピカード。
ボーグキューブという特殊な空間でフラッシュバックする記憶に苦しむピカードだったがブルーと再開したことでお互いに懐かしみ喜び合うのだった。
ソージに会いたいというピカードに全面協力を約束するブルー。
2人でキューブ内のソージの部屋に向かうのだった。
一方、ソージは繰り返し見る悪夢に悩まされていた。
またナレクから母親との通信が毎回70秒ぴったりで終わっていると告げられ、自分の事が次第に信じられなくなるソージ。
ふと思い立ったソージが年代測定機で自分の古い写真や子供の頃からの持ち物を測定すると全てが37ヶ月前に作られたものであり、自分の正体にますます疑念を抱く。
ソージはナレクに悩みを打ち明けると、彼からジャル・マクというロミュランの瞑想儀式で深層心理を探ることを提案される。
2人で儀式に向き合い、ソージはついに自分が作りものであるとの結果にたどり着き、ナレクからも人間じゃないと告げられる。
ナレクはソージを瞑想室に閉じ込め毒殺を図るが、緊急事態にソージの秘められた力が発動、床を破壊し通路を伝って逃げる。
ピカードはソージの部屋が荒れている状況に緊急事態が迫っていると悟る。
ブルーと一緒にキューブ内を探しソージと遭遇するピカード。
ソージを説得し逃げる3人。ブルーがキューブの特殊機能を呼び出しボーグ・クイーンの部屋に逃げ込む。
そこには長距離転送装置があり2人を脱出させようとするブルー。
そこへロミュラン兵がやってきてピンチになるが救援に来たエルノアが3人を倒す。
3人で逃げるようにブルーは急かすが、エルノアはピカードとソージを逃がすためにブルーとキューブに残る事を決断。
苦悩の末ピカードはエルノアを残し、リオスに「ネペンテ」で合流するよう伝えソージと共に転送ゲートを潜る。
残ったブルーとエルノアはボーグ・クイーンの部屋を閉じ、2人の痕跡を消すまでの時間を稼ぐため、押し寄せてくるであろうロミュラン兵と決死の対峙に挑むのであった。
第6話 不可能の箱の疑問
アグネスとリオスが急接近するのは無理筋では
再生キューブに向かう途中でリオスとアグネスが急接近します。
アグネスとマドックスの仲をそれなりに察していた様子のリオスですが、そんなアグネスなのに大切な人が亡くなった直後に急接近するのはいくらなんでもシナリオとして無理筋ではないでしょうか。
ロミュランとの戦争は起こりうるのか?
ラフィと対話した連邦士官は、ベータ宇宙域の元中立地帯にある再生キューブに近づく事自体がロミュランへの戦争行為としてみなされる…と告げます。
ロミュランは母星がなくなり、宇宙域に散り散りになっている状態ですがそれでも戦争になりうるのでしょうか?
人工生命体であるソージに毒ガスは効くのか?
ナレクは2つの赤い月がある場所がソージの故郷であるという必要な情報を得た後、ソージを瞑想室に閉じ込め赤い毒ガスのようなもので殺害しようとします。
人工生命体であるソージにそもそも毒ガスが効くのでしょうか。
ロキュータス!と声をかけたのは誰なのか?
ピカード、ブルー、ソージで逃亡する最中、ピカードはロキュータス!と声をかけられます。
果たしてあれは誰で一体どういう目的があったのでしょうか。
第6話 不可能の箱の疑問への考察
リオスは何かを知っているor実はヒューマノイドタイプのテレパス系異星人?
リオスとアグネスのシーンですが、客観的に見ていくらなんでも展開があまりに唐突&早すぎて無理筋だと感じました。
もちろん一行はドラマとして描かれていない部分で長い旅をしてきているでしょうから、それなりに親密になる時間があったという可能性はありますが、エピソードを見ているだけの視聴者としてはあまりにも急展開に感じました。
「尺の都合でああした」と言ってしまえばそれまでですが、なんとか考察してみます。
私はリオスはアグネスがマドックスの事で何か隠していることに気がついているか、更に飛躍してリオスの正体は心の読めるテレパスのヒューマノイドタイプ異星人ではないか?と考えました(苦しいけど…)。
異星人説の根拠は、
- 初登場時に肩に刺さった破片の傷を手当せずそのままで良いと放置
- あれだけの深手を放ったらかしで直すのは地球人とは思えません。きっと再生能力の高い種族なのでしょう。
- 本エピソードで、ラフィの事も早々になにやら気がついてクルーの中で1人だけ優しくしている
- ラフィの事も心を読んでの行動の可能性があります
という辺りです(苦しいけど…)。
異星人かどうかはともかく、リオスはなんとなくアグネスに違和感を感じ、色々探っている可能性は高いのではないかと思います。
戦争はロミュラン政府の状況がどのような状態かによる
戦争を行うのであれば指揮系統をはじめ補給等も大切でしょう。
それらを系統立てて行うにはきちんとした政府体制があることが大前提だと思います。
スタートレック:ピカードで分かりづらいのは、
ロミュランの母星が無くなる(予定)→移民計画が行われた→それを火星のシンスの反乱を理由に連邦は中止した→ロミュランはほったらかしになる
ここの流れの説明は何度もあるので分かるのですが、
では肝心のロミュラン帝国は今どういう状況にあり、元母星のロミュラス以外のどこかの惑星なりに政府の本拠地があるのか、現在の政府体制はどうなっているのか、等が全く描かれていない点です。(ロミュラン政府やロミュラン側の偉い人を描くシーンが全くない。)
なので1話から出てくる警察組織のタル・シアーと言っても、それが綺麗に政府組織として残っているのか、それとも残党勢力が好き勝手に暴れているのか等が視聴者側に情報が降りてこないので分かりづらいです。
ですが、本エピソードで連邦士官が戦争になると言っている以上、ロミュラン政府は残っているのだろうと思われます。
私はむしろロミュラン側は戦争したいんじゃないかと思います。
連邦に恨みも溜まっているでしょうし、母星が無くなった以上、より環境のよい領土を欲しがっているでしょうしね。
なのでシンスの暴動を起こして自作自演?でロミュランの移民計画を中止させ、それを戦争の口実にしたいのではないかと予想しています。
毒ガス風に見える人工生命体にしか効かない何か
ナレクがソージに使った赤い毒ガス(仮)。ソージが吸い込むとゴホゴホと息苦しそうになります。
私はあれはいわゆる人間に効く毒ガスではなく人工生命体のみに効く気体状の何かだと思います。
仮に神経系のガスであれば外に漏れた時にキューブ内の他の人員に被害が及びますし、アンドロイドであるソージにヒューマノイドタイプの神経毒が効くとも思えません。
ですのであの赤いガスは、理屈はわかりませんが機械を機能停止させる何らかの成分のガスだと思われます。
ただ、ナレクはここまでソージを追い詰めると自爆するかもしれないとナリッサを説得していたのに、あの場面で追い詰めたのは謎ですが…。
あの場はひとまず収めて、その晩ソージが寝ている時にでもあのガスを撒くのではだめだったのでしょうか。
呼んだのは元ボーグとしか思えないが、誰であるか、その意図も分かりかねる
ピカードの事をわざわざロキュータスと呼ぶのは元ボーグの存在であると思われます。
ロミュラン人であれば惑星連邦の重鎮であるピカードを知っているでしょうし彼のことはピカードと呼ぶでしょうしね。
あのシーン、とても分かりにくいので映像を吹替版と字幕版の両方で見返してみました。
Amazonプライム版で48:46付近、ブルーとピカードが能力が起動したソージを探して急いで移動中に、黒人で背が高く右目は閉じており顔の右側面にボーグのインプラントがある人物が「ロキュータス!」とピカードに呼びかけ、ピカードは一瞬誰だ?と振り返りますがそのままソージを探しに進みます。
元ボーグと思われる彼は通路内に立っており部屋を警護しているか、何かを見張っているようです。歩いてどこかに移動中には見えません。
彼が誰かはハッキリしませんが、ブルーと同様に再生キューブで何らかの仕事に割り当てられている人物と考えられます。
あの人物は元ボーグのロミュラン人でキューブのロミュラン陣営からも重宝されており、ピカードの動向を見張っていた―という事も考えてみましたが、あの場はたまたま通り過ぎたピカードに遭遇しただけのようですし、それにピカードの居場所は転送してきた際にシステム側でマーキングできるでしょうからその線は低そうです。
色々と考察してみましたが本エピソードだけではあの「ロキュータス!」シーンの意図はわかりません。今後のエピソードで明らかにされるのではないでしょうか。
備考
原題はThe Impossible Box。直訳すると不可能の箱です。
箱はナレクが持っていたパズルの箱とも、ピカードにとってのボーグキューブの事とも、正体が人間ではないと分かり、理解不可能なソージの体の事を箱と見立てたとも受け取れるのではないでしょうか。
#5で息子に拒絶されただけでなく、本エピソードでも古くからの知り合いにも二度と連絡してくるなと言われたラフィが可哀想でした。いつか彼女に救いは来るのでしょうか。
スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から順次視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。