スタートレック:ピカード シーズン1 第5話スターダスト・シティ・ラグ Stardust City Rag(通算#5)

スターダスト・シティ・ラグ Stardust City Rag

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スタートレック:ピカード S1-5 ストーリー

現在(2399年)から遡った2386年、闇組織のブジェイズルに捕らえられ生きたままインプラント(ボーグの部品)を摘出されていた元ボーグの艦隊士官イチェブをセブン・オブ・ナインが救出する。彼はセブンにとって息子のような存在だった。
イチェブはもう生きられない事を悟り、セブンに安楽死を求める。セブンは苦しみながらもそれに応える。

時は2399年に戻りピカードはセブン・オブ・ナインに、彼女のレンジャー活動は素晴らしいが法を犯していると指摘。
一方セブンは誰の助けも及ばない存在を助けるのが自分の役目だと反論する。
ピカードになんの目的で行動しているのか尋ねるセブン。
誰の助けも及ばない存在、ソージを助けるためだと答えるピカードに、セブンは協力を申し出る。

場面変わってアグネスはメモリーチップを再生してマドックスとの思い出のビデオを観ていた。彼女はかつてマドックスの恋人であった。

その頃ダージ/ソージを作った生みの親であるマドックスはタル・シアーに追われてブジェイズルの元に逃げ込むが彼女に捕らえられる。
ピカード一行はマドックスを追って目的地であるフリークラウドのスターダストシティに到着。
ラフィの調査でマドックスはブジェイルズによってタル・シアーに売り渡されようとしている事を知る。
マドックスをそのまま救い出すのは難しいと判断したピカード一行。そこでセブンがブジェイルズが欲しがるインプラントを大量に持っている自分とマドックスを交換する策を提案する。
一行はピカード、リオス、エルノア、セブンで変装と緊急脱出用の転送マーカーの用意をし、艦に残ったアグネスが転送担当を行う救出作戦を採用する。

一方、ラフィは作戦には加わらず艦を離れ、スターダスト・シティの病院にいる一人の男性の元へ向かう。
彼は出産間近の身重の妻(バルカン人?)を持つラフィの息子、ガブリエルだった。
祖母になるラフィは息子とやり直したいと懇願、しかしかつてラフィが火星でのシンス暴動の裏には陰謀があると主張し続けたことで彼女は艦隊を追放され、それに伴い家庭が崩壊した事を責めるガブリエル。
そしてラフィは今でも心の奥で陰謀があると信じていることを悟ったガブリエルはラフィを拒絶するのだった。

スターダスト・シティでブジェイルズに接触することに成功したピカード一行。
ブジェイルズとセブンの間にはイチェブの件の前から確執があるような素振りで、セブンはイチェブを捉え殺そうとするがピカードとリオスの説得で思いとどまる。

マドックスを無償で受け取ることでブジェイルズを見逃し、一行は転送で船へ戻る。
緊急脱出用の転送装置を転送機のところへ置き離れるリオス。それを密かに手に入れるセブン。
セブンはピカードに緊急時になったら助けに駆けつけることを約束し転送で船を降りるが、その行き先はブジェイルズの元だった。
セブンは再度ジェイズルと対峙し彼女を射殺し復讐を遂げる。

救出されたマドックスはピカードに、ダージとソージは火星でのシンスの反乱および人工生命体禁止を行った真相を探るために地球とボーグ・キューブの再生センターに送ったことを話す。そして連邦内に一連の事件の協力者がいることを示唆する。

マドックスの容態を回復させるため場をアグネスに任せて去るピカード。
アグネスと二人きりになったマドックスは彼女のダージ・ソージに対する功績を褒める。
しかしそこでアグネスが豹変する。
彼女は医療ホログラムが止める中、医療装置を操作しマドックスを殺す。

リオスに行き先をボーグキューブにするよう交渉するピカード。報酬の倍増を条件に了承するリオス。
そしてリオスは密航者が居るとピカードに告げるとそこには悲嘆に暮れて船に戻ったラフィがいた。

第5話 スターダスト・シティ・ラグの疑問

お断り
私は当記事執筆時点でスタートレック:ヴォイジャーを数話以外未視聴です。
(唯一覚えているエピソードはキム?が敵に捉えられて、脱出するために一度死んで回収後すぐに蘇生させるというお話のみ。)
したがってセブン・オブ・ナインについての知識がありません。
以下はその状態で書いています。

アグネスはなぜマドックスを殺したのか

本エピソードで最大の謎はやはりアグネスがマドックスを殺した理由です。
思い出のビデオを見て振り返るなどマドックスとの関係は同僚の枠を超えてかなり良好だったことが伺えます。
それなのになぜ彼女はかつて恋人だったマドックスを殺したのでしょうか。

緊急医療ホログラムが一行に喋ればおしまいなのでは

アグネスがマドックスを殺害する直前まで緊急医療ホログラムがその状況を見ており、彼はアグネスの行為を止めようとしました。
アグネスはホログラム停止を命令しますが彼が一部始終を見ています。
また彼は過去の様子では、ある程度自分の意思で出現できそうです。
彼がピカード一行に一部始終を話せばアグネスの行動はばれるのではないでしょうか。

リオスが転送マーカーを置いたのはわざとなのか?

ブジェイルズの元からマドックスを助け出した一行は転送で船に戻ります。
そこでめでたしめでたしという感じになるのですが、リオスは持っていた転送マーカーを転送パネルのところに貼って立ち去り、それを手に入れたセブンはブジェイルズの元に戻って復習します。
リオスはわざと転送マーカーを置いたのでしょうか。

なぜセブンは艦隊士官ではないのか

回想シーンでセブンはレンジャーとして活動しイチェブはその仲間でした。
その際、イチェブの服は艦隊士官のものでしたがセブンはラフな格好であり、現在もセブンはラフな格好のままです。
またピカードとの会話からおそらく現在も艦隊士官では無さそうに受け取れます。
U.S.S.ヴォイジャーのクルーとして活躍したセブンですが、なぜ宇宙艦隊士官では無いのでしょうか?

第5話 スターダスト・シティ・ラグの疑問への考察

アグネス=オウ准将のスパイ 説を推したい

3話の考察で「アグネスはスパイではないか」と書きましたが、本エピソードの行動を見ているとやはりオウ准将の命令でマドックスを殺害したのではないかと予想します。
仮にマドックスに対する愛情が憎しみに変わったとしても彼女一人の判断で殺害にまで及ぶか?と考えるとなかなか難しいのではないでしょうか。

またマドックスとの最後の会話シーンで色々とアグネスの思いが出てきましたが、それらを含めた背景については今後のエピソードで描かれるのではないでしょうか。

緊急医療ホログラムは記憶を持てない?

これまで何度も艦内に出現する緊急医療用ホログラムですが、停止と命令されれば即座に消える存在でもあります。
今回彼はアグネスの殺害現場を見ているわけで、もし彼がピカードらに話せば全てがまるわかりです。

以上を踏まえて考えると、リオス船の艦内ホログラムは出現が終わった後は記憶を持てず必要な機能以外はリセットされるのではないかと思われます。
確かにずっと記憶まで持たせると船のメモリーバンクを占有してしまうでしょうし、辻褄は合いそうです。

したがってアグネスがその仕組みをすでに理解しており、仮にホログラムに見られた状態で殺害しても消してしまえば証拠が残らないので大丈夫と判断した可能性があるのではないでしょうか。

もう一つマドックス殺害のシーンで疑問に思ったのは、医療室で患者が重篤な状況になったのに船のシステムに警報や連絡は行かないのか?という点です。
ブリッジのパネルに何らかの通知が表示されても良さそうですが、これはアグネスが予め警報等を切るなど細工していたのかもしれません。

リオスは間接的に転送マーカーをセブンに渡した説

私はあのシーン、リオスはわざと転送マーカーをセブンが分かる位置に置いたと思いました。
スターダスト・シティでリオスがセブンを説得する際、ピカードまでお尋ね者にするのはいかがなものか?という論でセブンを説得し、セブンもそれであの場は矛を収めました。
ですので、セブンもリオスもピカードの事まで犯罪者にするわけにはいかずあの場は収めたけど、ピカードが関わらない範囲においてはその後どうなろうと知ったことじゃないというスタンスだったのではないでしょうか。

リオスも元艦隊士官なのに、現状はフリーの船長などをやっているので色々と訳ありのようです。
そんな彼ですから復讐に燃えるセブンの心情も察してあげてマーカーを取りやすい位置に置いたのだろうと思います。

じゃあなんで直接手渡ししてあげなかったのか?となるのですが、そうすると今度はリオスが堂々とセブンの復讐に手を貸したことになり、殺人幇助になりかねません。
リオス自身の立場からするとセブンの気持ちは分かるが、そこまでやってやる義理もないということなのでしょう。

あのシーンは直接言葉での会話もアイコンタクトも無いものの、リオス・セブン共にややアウトロー的な生き方をしている者同士の暗黙の了解を描いているのだと思います。

セブンは宇宙艦隊に自ら入らなかったor入ったけど抜けた説

イチェブは艦隊制服を来ていたので、元ボーグであっても宇宙艦隊に入る事に障害は無いのだろうと思われます。
であるならばヴォイジャーでの功績が大きくボーグの知識が豊富なセブンも艦隊に入ることは可能だと思います。むしろ歓迎されそうです。

しかし本エピソードのセブンは艦隊士官では無いようです。
これは自らの意思でヴォイジャー帰還後に艦隊に入らなかったか、あるいは入りはしたものの合わずに辞めてレンジャー活動に転向したのかどちらかもしれません。

あるいは回想シーン時のイチェブの艦隊制服はレンジャー活動としての変装の一環であり、実はイチェブも艦隊士官では無かった可能性もありそうです。


感想

本エピソードでは前話登場時に比べてエルノアがかなり子供っぽく描かれていたのが印象的でした。
凄腕の戦士ではあるものの、まだ年齢的には若く子供っぽさが残っているというキャラクター性を深掘りする演出だったのかもしれません。
一方で加入直後なのに彼の戦闘能力を描くようなシーンは無く、トカゲ人間を撃って一行のピンチを救ったのは結局リオスでした。
あそこをエルノアに担当させれば彼の戦士としての力量を描けたのかもしれませんが、前話でピカードが自分の命令が無ければ戦うなと命令した誓いを優先させる演出だったのかもしれません。

またストーリー内でピカードがノリノリで悪役を演じている姿は、TNG時代にホロデッキで張り切っていたピカードの姿に通じるものがあり見てて楽しかったです。

ラフィについては見てて悲しかったです。
いつか陰謀が本当のことだと全宇宙に知れ渡ってガブリエルの誤解も溶けてくれることを望むばかりです。

スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から順次視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。

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