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スタートレック:ピカード S1-4 ストーリー
マドックスを探すためフリークラウドを目指すピカード一行ですが、その途中ヴァシュティという惑星に立ち寄るようピカードが命じます。
ヴァシュティはかつてロミュラン人を避難させた入植惑星でまだ発展中の段階でしたが、14年前ピカードが様子を見るために訪問した最中、火星でシンス(人工生命体)の反乱が起き、結果としてロミュラン人救出作戦が暗雲に乗り上げたというピカードにとって苦い思い出の地でした。
ピカードがヴァシュティを訪問する理由は今後タル・シアー(ジャット・バッシュ)との戦いになった場合に備えて強力な戦士を味方に付けること。
ヴァシュティには既知の修道女集団、クワト・ミラットという戦闘に長けた組織があり、彼女らは大義を認めれば協力してくれるとピカードは一同に説明します。
一方14年前、クワト・ミラットの修道院には一人の男の子エルノアがおり、ピカードと祖父と孫のような交流を行っていました。
エルノアは孤児でありまた修道院にただ一人の男性であったため、ピカードはエルノアにとってもっとふさわしい場所を探そうと考えていたものの、火星での事件が起きたためその対応も中座。その後ピカードは艦隊を去ったためヴァシュティに戻ることもなくエルノアについてもそれきりになっていました。
その頃ボーグキューブ内でソージに接近するロミュランの工作員ナレク。
全容を語りませんが、ナレクは何年も前からソージを観察していたようで彼女に特別な思い入れがある様子です。
ただナレクは姉のナレッサからソージから情報を聞き出す猶予は1週間、それで目的が達成されなければ自分のやり方で行うと宣告され苦悩します。
14年ぶりにヴァシュティの地に降り立ったピカードですが街は寂れています。
かつては様々な人種が行き交う美しい場所だった広場もロミュラン人至上主義的になっており、他人種は排除する雰囲気になっています。
修道院を訪ね知り合いの長にクワト・ミラットとして協力を申し出るピカード。
一方でエルノアは立派な青年に成長しており、修道院の中で一番の剣の使い手に育ったものの、女性ではないためクワト・ミラットでも無いという中途半端な状況になっていました。
エルノアと話をし、親友であるデータの娘を助けたいという大義を伝え自らの守り手になってくれるよう説得するピカード。
しかしエルノアは14年前にピカードに見捨てられたと感じており、両者の間には少なからずわだかまりが残っていました。
エルノアおよび修道女との契約を断念したピカードは衛星軌道上に待機させているリオスらの待つ宇宙船に戻ろうとしますが、宇宙船にはロミュランウォーバードが迫っており攻撃の危機に直面します。
転送収容を待つ間、ピカードはロミュラン人がたむろする酒場?に掛けてあった「ロミュラン人専用」という看板を目にし、それを剥がし足で踏みつけ、店内に座り注文を告げようとします。
店員に無視されるピカードの元にロミュランのごろつき集団が迫り、今自分たちが悲惨な目に遭っているのは、惑星連邦が約束した支援を行わなかったからだ、ピカードのせいだと罵倒。ピカードを殺そうとします。
ピカードが殺られる寸前に助けに入ったのはエルノアでした。
彼はピカードと契約を行い、彼に危害を加えるものは自分が排除すると周囲に宣言。
その後ピカードとエルノアを宇宙船に転送収容したリオスでしたが、ウォーバードの攻撃並びにヴァシュティの惑星防衛システムとの挟撃に合い、なかなかピンチを脱することができません。
そんな中、一隻の見慣れない宇宙船がピカード達を助けに入ります。
ピカードらは共同してウォーバードを撃墜するものの謎の宇宙船は戦闘の最中ダメージを負い破壊さます。
なんとかパイロットを転送収容して助けたところ、それはなんとセブン・オブ・ナインでした。
第4話 無垢なる自己の疑問
自分の手で首を絞めさせる攻撃はどこまで効果的なのか?
ナレクとナレッサの姉弟の会話シーンで、ナレッサがナレクの手を抑えて自ら首を絞めさせるというロミュラン式格闘術?を行いナレクを追い込みます。
果たして自分の手で自分の首を絞めさせるというあの攻撃は本当に効果的なんでしょうか?
なぜピカードはヴァシュティで過激な行動に出たのか?
エルノアとの契約を諦めて帰還途中のピカードはカフェ?酒場?にかかっていたロミュラン人専用という鉄看板をいきなり引っ剥がし、あまつさえ土足で踏みにじり、来るなと示されているのに店に入り注文を行おうとします。
TNGのピカード像からするとかなり過激な行動に移りますが、なぜ彼はあそこまで攻撃的な態度に出たのでしょうか?
そこまでしてお店で注文を行って何をしたかったのでしょうか?
第4話 無垢なる自己の疑問への考察
気道を横から圧迫すれば案外効果的かもしれない
あの首絞め攻撃が本当に効果的か自分で自分に試してみました。
感想は、真正面から力任せに押さえつけるよりもどちらかといえば
Uの字にした手で首の横側を挟み付けるようにすると効果が高いような気がしました。
よって疑問に対する考察としては「こうかはばつぐんだ」となります。
ただあのシーン、ナレクは男でナレッサは女です。
いくら不意を突かれたとは言え、男性のナレクの力であれば跳ね返せそうな気もしますが、よく考えたら彼らはロミュラン人。男性と女性の間に筋力的な差異はないのかもしれませんし、もしかするとあの攻撃はバルカンピンチに相当するロミュラン人独特の技術なのかもしれませんね。
ムシャクシャしていた。誰でも良かった。今は反省している。
というのは、かつて日本で犯罪を犯した者の常套句でした(最近はまったく聞きませんが…)。
察するにあの看板ふみふみ攻撃を行った時のピカードの心境もこれに近かったのではないかと思います。
自分が無力でヴァシュティは荒れ果て、期待して訪れたクワト・ミラットやエルノアの協力も得られず、不甲斐なさ、憤り、後悔の念などが入り混じりあのような過激な行動に出たのかもしれません。
それともう一つの可能性として私はピカードの病気の影響があるのではないかと考えました。
ピカードの病気は脳の前頭葉にダメージがあると2話で語られていました。
前頭葉は人間の行動の抑制を司る働きがあると言われます。
その大事な器官にダメージを負っているピカードは、かつてのエンタープライズ艦長の頃に見せた冷静な態度に比べると感情抑制ができなくなっているのかもしれませんね。
備考
第4話 無垢なる自己はこれまでの1~3話に比べるとすんなりお話が進み、理解しやすい印象を視聴後に持ちました。
調べた所この4話は1~3話と異なりライカー役のジョナサン・フレイクスが監督を行っています。
氏はこれまでもスタートレックシリーズで何度も監督を行っていますので、その経験から理解しやすい撮影・話づくりに長けていそうですね。
(ただ靴下で滑るシーンはどうなのか…)
スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から順次視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。