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スタートレック:ピカード S1-1 記憶 ストーリー
時は2399年。かつてエンタープライズ号を率いたジャン=リュック・ピカード提督は宇宙艦隊を退役し故郷フランスの実家であるワイン農場で隠遁生活を送っていました。
ピカードはデータの夢そして火星の夢を見てうなされます。
その背景には、ロミュラン人の故郷であるロミュラスが超新星爆発の影響で滅亡の危機に瀕した際、その救助船を作っていた火星で人工生命体(本作ではシンスと呼んでいるようです)による暴動が起きたことを理由に惑星連邦は約束していた救助を打ち切り。約束を果たさず多くのロミュラン人を見殺しにした惑星連邦に憤慨したピカードは、艦隊を辞して抗議したーという過去があったのです。
一方時を同じくして、ボストンに住む女性ダージはある日突然謎の集団に襲撃を受けますが、不思議な事に身に覚えのない戦闘術を使い彼らを撃退、命からがら逃げ出します。
ダージはなぜかピカードの姿が脳裏に浮かび、それを頼ってピカードの元へやってきます。
ピカードはその晩またデータの夢を見ます。
ぶどう畑で女性の絵を描くデータ。その絵の女性にはまだ顔が描かれていません。
データはピカードに絵筆を渡し、続きをどうするかはご存知のはずです、と告げるとピカードは夢から覚めます。
そして現実世界の彼の書斎にはデータが夢で描いていた絵が飾ってあったことに気が付きます。
その一方でピカード邸に泊まっていたはずのダージは忽然と姿を消してしまいます。
惑星連邦の自分専用の資料室に向かい、データの描いていた絵と1対の写しを持っていることを発見するピカード。そこに描かれていた女性には顔がありそれはダージのものでした。
ダージが再度ピカードに合流。
ピカードはダージと話し、ダージの正体はデータの娘で人工生命体であることを彼女に告げます。
その後謎の集団が現れ、ダージとピカードを襲撃。
ダージの活躍で撃退しますが、最後の一人が腐食液をプラズマライフルに吐きかけ、爆発に巻き込まれてダージは死んでしまいます。
ダージを死なせてしまったことを悔やむピカードは隠遁生活を止め、この事件の謎を明かすことを決意。
ダージが近々就職が決まっていたという人工生命体の研究を行う沖縄のデイストローム研究所へ向かい、そこで技術者のアグネスから、今は所在不明であるかつての同僚がデータのようなアンドロイド制作に熱心であり、彼がダージと彼女と双子である合計2体のアンドロイドを作ったのだろうと聞かされます。
一方、どこかの宇宙空間では滅亡したはずのロミュランの戦艦、ロミュランウォーバードが大量に格納されている構造物がありました。
そこにはダージの双子の姉妹であるソージが駐留しており博士と呼ばれています。
そしてソージのいる施設はまるでボーグ・キューブのような出で立ちの立方体構造をしているのでした。
第1話 記憶 の疑問
インタビュアーは何をしたかったのか?
序盤、ピカードはテレビ番組のインタビューを受けます。
その際、艦隊を退役した理由については質問しないようにと事前に3度も念を押してありました。
にも関わらずインタビュアーは最初から挑発的かつ失礼な態度でピカードにインタビューを進めていき、そしてさも当然の様に艦隊退役の理由を詰問します。
あのインタビュアーは何が狙いであのような事を行ったのでしょうか。
ダージはボストンからフランスまでどうやってやってきたのか
ダージは襲撃され額に大きなキズを負い、血を流したままピカードの元へやってきます。
また撃退の際に複数の相手を殺しており、床に血もそれなりに流れていたのを見ると彼女の衣服にもそれなりに返り血が付いていたことが想像されます。
そのような状態でどうやってアメリカのボストンからピカードのいるフランス(実家のぶどう畑なのでおそらくラ・バール)までやってきたのでしょうか。
アールグレイを飲まないダージ
ピカードからもてなしを受けたダージは出されたアールグレイに口をつけず、ピカードとの会話が一段落するとそのまま寝室へと向かいます。
もてなしとして出されたものに一切口を付けないのはいくらなんでも失礼な気もしますが…。
データの娘といえばラルのはずでは?
TNG(新スタートレック)を視聴済みの方は第64話「アンドロイドのめざめ」で登場したラルこそがデータの娘であると感じる方もいらっしゃると思います。
一方、本エピソードではラルの事は全く出てこず、データの娘としてダージ/ソージの2人がクローズアップされ、データの娘だと!?という感じでピカードも振る舞っています。
ピカード艦長とも交流のあったラルの事は無かったことにされたのでしょうか。
第1話 記憶 の疑問への考察
まともなインタビューなど最初からする気もなかった
インタビュアーの目的は最初からピカードを怒らせて艦隊への不満を吐き出させる事にあったのではないかと推察します。
というのもピカードが触れていたように、ダンケルクの戦いについての知識すらないなどインタビュアーはまともな歴史への見識を持ち合わせておらず、ロミュラン人救出をテーマにしたインタビューに到底適した人物とは思えないからです。
おそらくあの人物は煽り能力・挑発スキルに特化した人物ではないでしょうか。
単にかつての英雄が怒り出す姿を見せて視聴率を稼ぐ事が目的なのか、あるいは反惑星連邦的な思想の持ち主で、ピカードという惑星連邦の超要人を使って連邦の政治力にくさびを打ち込む意図があったのかもしれません。
ボストンからフランスまで襲撃者の転送装置を利用して移動した説
24世紀の地球における一般的な交通手段がどの様になっているのか、乗り合いシャトルを利用するのか、あるいは一般人も転送で瞬時に移動する体系が整えられているのかは分かりませんが、そういった公共的な手段を利用するのであれば、ダージの大怪我や血の付いた服装では利用の際に不審がられ咎められる可能性があると思われます。
またダージは3人殺していることを認識しており、もし公共交通機関で止められれば最悪投獄の可能性も高いことを承知しているはずです。
そこで、襲撃者が使っていた転送装置を実はダージの隠された能力で認識し使うことができた、という説を推したいと思います。
これであればフランスのピカード邸の近くまで転送で移動して、さも歩いてきたように振る舞えば怪しまれずにピカードの所へたどり着けますよね。
アールグレイを飲まないことがアンドロイドであることの伏線になっていた
と、私は視聴しながらすぐに思いました。
食べ物を口にしないことがダージの正体の示唆に繋がっているのではないか…と。
…と思ったんですが、よく考えたらダージは序盤でボーイフレンドとワインを飲んでます(ダージがゴクリと飲むシーンあり)し、フードディスペンサーにバニラ系の何かがあるなど、普通に飲食できるみたいですよね💦
であれば、単純に疲れていて飲む気になれなかったか、単にアールグレイが嫌いだったかというのが理由でしょうか。
アールグレイだ、何にでも効くぞ。と言って出してくれたのにピカードが可哀想(笑)
ラルはラルでちゃんと娘として認識されていると思いたい
本作はジャン=リュック・ピカード役のパトリック・スチュワート氏が製作総指揮をとっていますので、自身が出演したTNGに出てきたラルのことを(忘れていなければ)データの娘としてちゃんと認識していると思いたいです。
ラルは確かにデータの娘でしたが、残念ながらいまだ不完全で機能停止せざるを得ませんでした。
一方でダージの人工生命体としての完成度はラルよりも数段高く、その衝撃が大きかったこと、そしてデータが既に亡くなっており、その忘れ形見としての存在感も大きくデータの娘であることの衝撃が大きかったのでデータの娘だと!という表現になったのかもしれません。
一方でデータがラルのことを忘れてしまったかのように娘としてダージを描いている点については、あれはあくまでもピカードの夢の中のデータであり、現実のデータ自身の振る舞いではないのでデータがラルを忘れたということではなく、特に演出として問題もなさそうです。
しかしそうなるとデータって娘ばかり3人(ラル、ダージ、ソージ)って事になりますね。
息子よりも娘が欲しかったんでしょうか。
男の兄弟で散々苦労したので、子供が男の子だとロア(ローア)みたいになるのが嫌だと深層心理(データにあればですが)で感じていたのかもしれませんね。
スタートレック:ピカードはかつてのTNGとは異なり、連続ドラマ風な作風になっています。したがって後のエピソードで今回挙げた疑問等が明かされる展開があるかもしれません。
この記事はシリーズをシーズン1-1話から視聴し、該当するエピソードを初回視聴した時点で書いていますのでご了承ください。